性格を変える方法

2023年9月4日2023年9月26日

全ての人は、自分自身について、および人生の
諸問題についての意見、あるいは自分では理解もしていないし
説明もうまくできないが、自分がいつもしっかりと守っている
運動の法則を持って生きている
性格はどうやって作られてきたか
アルフレッド・アドラー　人生に革命が起きる100の言葉　小倉宏著　ダイヤモンド社

あなたは、自分の性格が好きですか。変えたいと思っている人も多いのではないかと思います。私も、人生で何か上手くいかないときに、この性格を変えたいなと思うことがあります。アドラーは『ライフスタイル』と表現していますが、自分の生き方のクセであり、どのように行動すれば上手くいくのかという信念を性格や人格として捉えています。

自分自身のライフスタイルは、赤ん坊の時から作り始め、10歳くらいで完成されるそうです。幼少期の家庭を中心にした社会の中で、いろいろな試行錯誤を繰り返していく中で、こうしたら上手くいく、いかないといったことを学習していき、自分の行動の法則のようなものを作り上げていきます。これが、自分の性格と言われるもののベースになっていくわけです。

表層的な性格ではなく、深層部にある性格の根本を見つける

あなたはどんな性格ですか、と尋ねられて、『明るい性格』や『暗い性格』といったような表現をするかもしれません。でも、こうした表現は表層的なものに過ぎず、深いところに自分の性格を作り上げている根本的な価値観があるとアドラーは言います。そして、その根本となる価値観や信念は以下の３つがあるそうです。

自己概念（私は～である）
世界像（世の中の人々は～である）
自己理想（私は～であらねばならない）

これら3つの組み合わせにより、表層的な性格が決まってくるのです。例えば、自己概念：私なんかには誰も興味をもっていない。世界像：人々はつまらない人間を相手にしない。自己理想：私は誰からも相手にされないので、目立たずに黙っている方が良い。という価値観を持っている人が、表層的に現れる性格は、『暗い人』であり、『人見知り』な人となるでしょう。

自分の性格を形成している、これら3つの価値観を私自身も、認識しているしていないは別にして、持っていると思いますし、この自分の価値観を通して、私は自分の現実を作り上げているのだとも思います。

自分の眼鏡で世界を見ている

子どもの頃に、赤色や緑色といったフィルムの貼った色眼鏡がありました。このフィルムの貼った眼鏡を掛けると、例えば、赤い色なら赤みがかった世界が見えてきます。これと同じように自分の価値観という色眼鏡によって、私たちは世界を見ています。こうしたことを『認知バイアス』と呼ぶそうです。

認知バイアスによって、人は自分にとって都合の良い情報だけを取り入れて、それ以外は例外として処理をする傾向があります。自分の考え方にあった情報を中心に集めて、考えにあわない情報は自然と認識しなかったり、たまたまあったこととして捉えることで、自分の価値観はより強固なものになっているのかもしれません。

自分には、こうした『認知バイアス』があると認識すると、もしかしたら自分は勘違いをしていたのかもしれない、と思う出来事も多いです。何かの気づきによって、ものの見方が変わったという経験がある方も多いのではないでしょうか。つまり、自分の価値観や信条といったものを変えていくと、世界の見え方も変わってくる可能性があるわけです。

性格は今この瞬間に変えられる

自分のライフスタイルの成り立ちは、生まれてきた環境による影響も大きいと思います。だからといって、環境が原因というわけではありません。同じような環境で育っても、違った価値観は創造されるわけですから、環境によって性格や人格は形成されるのではなく、自分自身がどこかで選択を決断していってできたものが性格なのです。そして、自分で決断して創ってきたものだからこそ、自分が変えることも可能なわけです。

自分の性格を変えたいと思うならば、変えることは可能です。その方法は、まずは自分の３つの価値観（『自己概念』『世界像』『自己理想』）を理解することが肝要です。考えてみると、自分はこんな人間だと自分を評価していることってありますよね。でも、この『自分は～だ』という考えは思い込みに過ぎないもので、時と場合によっては違う顔も見せている様な気もします。だから、一概に自分はこうだ、と決めつけることはできないはずなのに、なぜか自分には1つの価値観を持っています。ちょっと客観的に自分の行動や決断を見てみると、自分の傾向がわかってくるのかも知れません。そして、自分を変えたいと思うならば、この認識した価値観を変えてみる行動をとってみることが必要だと思います。きっと長年身についたクセでもあるので、意識しなければ、すぐに元に戻ってしまうかもしれません。だからこそ、何度も何度も繰り返していくことで、自分の表層的な性格も変わってくるのだと思います。そうすると、自分の認知バイアスも変化し、世界も変わってくるのだと思います。そしたら、なりたい自分やありたい世界の実現だって可能なことなのかもしれないですね。