「ありのままで本当にいいの？」— 自己肯定感と成長のバランスを考える

2025年2月18日2025年3月2日

「ありのままの自分でいいんだよ」
この言葉を聞くと、心がふっと軽くなることがありますよね。
自己啓発やカウンセリングなどでもよく使われているこの言葉ですが、一方で「本当にありのままでいいの？」と疑問を抱くことはありませんか？

もし、今の自分のままでいることで、ずっと苦しさを感じるのなら？
変わりたいと思う自分がいるのに、「ありのままでいい」と言い聞かせることは、本当に自分を大切にすることになるのでしょうか？

この記事では、「ありのままの自分を受け入れること」と「より良い生き方をすること」のバランスについて考えてみたいと思います。

「ありのままでいい」と言われると心地よく感じる理由

「ありのままでいい」と言われると、多くの人が安心感を覚えます。それは、その言葉が自己肯定感を一瞬高めてくれるからです。

私たちは日々、「もっと頑張らなきゃ」「私はまだまだだ」と、自分を責めながら生きていることが多いものです。どんなに「自分に甘い」と見える人でも、心のどこかで「このままでいいのかな…？」と自分に対して不安を抱えていることがあります。

そんなとき、「そのままでいいよ」と言われると、自分を受け入れてもらえたような気持ちになり、ホッとします。

しかし、その安心感は一時的なものではないでしょうか？

「ありのままでいい」という言葉に甘えて、何も変えなければ、また同じ悩みが繰り返されることになります。もし人生に苦しさを感じているのなら、「ありのままの自分」のままではなく、「より良い生き方」を模索することが大切かもしれません。

「ありのままの自分」は本当に自分らしい？

「ありのままでいい」と言われたとき、多くの人は「このままで変わらなくていいんだ」と思いがちです。でも、そもそも「ありのままの自分」とは、一体どんな自分なのでしょうか？

本当の自分を知るために、まず、私たちは生まれてから今日まで、たくさんの影響を受けながら生きていることを自覚する必要があります。実は、自分の中にある常識や価値観は、自分自身が作ったものではなく、他人によって刷り込まれたものだったりするのです。

✅ 親や家族からの価値観（「こうするのが正しい」「〇〇すべき」）
✅ 学校や社会の常識（「普通はこうだ」「みんながやっているから」）
✅ テレビやSNSの情報（「これが流行っている」「これが幸せの形」）

こうした「外からの価値観」が積み重なり、気づけば、それが「自分」になっていることがあります。
でも、それって本当に「自分らしさ」と言えるのでしょうか？
例えば、何かをしているときに「なんとなくモヤモヤする」「ザワザワする」「違和感を感じる」ことはありませんか？それはもしかすると、自分の本当の気持ちと、社会や周囲の価値観がズレているサインかもしれません。

「ありのままでいい」という言葉が心に響くのは、頑張っているのに認められない自分を慰めてもらったり、自分に自信がない時に励ましてくれていると感じるからではないでしょうか。でも、本当にありのままで良いのかと疑問を感じるのは、本当は「ありのままの自分」と「本来の自分」とのズレに気づき、抑え込んでいた自分の本音が顔を出す瞬間だからではないでしょうか。