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感情はコントロールできるのか

誰しもが、怒りに震えることや、不安にさいなまれることがあると思います。自分の感情を抑えきることができずに爆発してしまうことだってあるのではないでしょうか。感情にまかせた言動で、落ち込んだこともあるかもしれません。喜びの感情ならば、感情のままにいることで心地よいかもしれないけど、怒りや不安などの感情を上手に抑えることはできないかと考えたこともあるのではないしょうか。

残念ながら、アドラーによると感情をコントロールしようとすることは無駄なことのようです。そう言われてしまうと、どうしようもないのかと、また落ち込んでしまうかも知れません。それならば私たちは、怒りや悲しみなど、時に自分が支配されてしまっているように思う感情に対して、どのように向き合えば良いのでしょうか。

最も重要な問いは
「どこから?」ではなく「どこに向かって?」である

アルフレッド・アドラー

感情が人を動かすのではなく、目的のために感情を利用している。

私たちの全ての行動には、無自覚なことが多いかもしれませんが、目的があります。そしてその目的のために、人は感情を利用しているのです。ちなみに人は、相手を操作し支配するためという目的と、自分自身を突き動かすためという2つの目的で感情を利用しているそうです。

相手を支配するための感情は、怒りの感情を表情や態度などで示すことによって、相手を支配コントロールする時などに利用しています。例えば、上司が部下に対してや、親が子どもに対して、というのもあるかもしれません。相手に怒りを示したり、恐怖を感じさせることで、自分の言うとおりにさせようとしている時ですが、こうした感情の起因は、相手ではなく自分だったりもするわけです。

自分自身を突き動かすための感情は、理性的に考えると困難なことも生じると考えられるけど、それでも行動したいという思いにさせてくれるものだったりします。例えば、結婚などもそうかも知れないですね。きっと色々と大変なことがあるかもしれないけど、この人が好きだという感情が背中を押したりしてくれるから結婚できているのかもしれません。

このように、人は感情によって行動していると考えられるのですが、感情が人を動かしていると考えるのではなく、目的のために感情を利用していると考えると、人生の捉え方が変わってくるかもしれません。つまり、何かの原因で自分が動かされたという受動的な人生ではなく、自分がこうしたいという目的をもっての行動となると、能動的な人生になってきます。やらされているのではなく、やりたいからやっているという人生の方が、自分の可能性を広げていけると思いませんか。

感情と上手くつきあう

感情は心の声です。そして、感情は自分の行動のアクセルだけでなく、ブレーキにもなります。頭ではこちらが良いと思っていても、感情ではこっちがしたい、したくないという具合に。そう考えると、理性が『頭』で、感情は『心』と言えるかもしれません。

理性と感情は、どちらも大切なことで、どちらかに偏ってしまうとバランスが上手く保てないのだと思います。ただ、個人的には理性>感情ではなく、理性<感情と捉えた方が、人生は幸せになるのではないかなとも考えています。

『理性』と『感情』は、『意識』と『無意識』と同じようなものかもしません。感情にまかせて行動したというのと、無意識に行動した、というのは、どこか自分で制御できないものによって行動してしまったと、考えてしまうのではないでしょうか。

理性と感情が、意識と無意識と同じような視点で捉えると、意識と無意識の領域が、意識が5%で無意識が95%といわれているのと同じで、理性より感情の方がウエートは高いのではないのかもしれません。そう考えると、感情という心の声を受け止めて、感情を上手く活用できると、自分の人生は満足度の高いものになるかも知れません。

感情で人を動かそうとしない

感情という心の声を大切にと話をしましたが、人を感情で動かそうとはしない方が良いです。どちらかというと、赤ん坊や子どもは感情で人を動かすことの方が多いと思います。例えば、泣くことによって親の注意を払い、自分の要求をわかってもらい、その目的を果たすための行動をとってもらうというように。でも、成長するにつれ、感情の表現だけでは上手くいかないことも増えてくるのですが、大人になっても感情で人を動かそうとする人も意外と多いかも知れません。

感情表現による目的達成をするということは、赤ん坊と同じような行為だといえます。相手が赤ん坊であれば、その目的達成のサポートを喜んでしますが、大人が感情表現だけで相手を動かそうとするならば、そうした人とは付き合いたくないと思います。もしかしたら、最初はあわしていても、徐々に煩わしくなって距離をとりたくなると思います。

そう考えると、感情という心の声は大切なことですが、人との関係においては理性的にお互いにとってより良い結果に繋がるような関係を築くことが大切になります。相手の力を借りながらも、自分も相手の力になり、それぞれの力を合わせて協働することでより良い成果を得ることができます。つまり、一人ひとりが自立して、自分自身で問題を解決し、目標を達成する力を持っている人同士が協調することで、すばらしい成果を成し遂げることができます。

感情はコントロールできない

アドラーによると、感情はライフスタイル(=性格)による「排泄物」でしかないそうです。なので、わき出る感情を操作しようとしても何も変わることはありません。それよりも大切なことは、自分の基本的信念といった、自分の『考え方』や『認知』を修正していくことになります。

同じ出来事を体験しても、怒りの感情を持つ人もいれば、喜びの感情を持つ人もいます。例えば、誰かが自分を見て笑った、という行為を見たときに、馬鹿にされたと思うか、好意をもっていると思うかは、その人の認知の仕方によるものだったりもします。

この自分の『認知』をもたらしているものが、自分の考え方や性格によるものです。怒りの感情を持つ原因が、自分の考え方や性格がもたらすものであるならば、自分の考え方や性格を自身が理解していくことができれば良いのかもしれません。

自分の考え方や性格を変えるとなると難しいと思うかも知れません。でも、アドラーは『性格は今この瞬間に変えられる』と言います。どうやったら自分の性格を変えることが出来るのかについては、また別のブログで考察してみたいと思います。

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