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新入社員へのメッセージ

私は地域密着型の会社を経営しています。両親が『まちの電気屋さん』を経営しており、33歳の時に一緒に仕事をするようになり、38歳で父が他界したことで跡を継ぎました。『まちの電気屋さん』は斜陽産業といっても過言ではありません。店主の平均年齢も70歳に近いとも聞きます。後継者も不足しており、衰退の一途をたどっています。そんな中で、私は弟と共に『まちの電気屋さん』を引き継ぎました。

どんなに大型店が増えても、ネットでの購入が増えても、人に寄り添った地域密着型の会社は必要とされると思います。でも、必要とされていても、今までの状態であれば、会社経営がなりたちません。私は『まちの電気屋さん』の新しい在り方を見つけることが経営の目標でもありました。

地域のお客さまや取引先、社員、そして家族と色々な人に支えていただき、そうした人たちのお陰様で、会社規模は大きくなっていくことができました。ただ、売上額や社員数が増えていくと、ふと大切なことを忘れてしまっている時があります。そんな自分の経営への原点を振り返るときに、新しい社員が入社したときは、初心に帰ることができます。今回はそんな当社に入社した新入社員へのメッセージをご紹介します。

目次

新しい仲間を心から歓迎します

新たに当社のメンバーとして加わり、一緒に仕事ができるご縁ができましたこと、大変 嬉しく思います。そして、当社での仕事を通じて皆さんの人間力が高まり、当社の存在が、皆さんや皆さんのご家族にとって、生き生きとした幸せな人生を歩み続けることの基盤となることを心より願っております。

当社は、昭和39年の創業に始まり、紆余曲折を経て今日を迎えることができました。振り返ると、大変厳しい時代もあり、今日まで継続していることが奇跡的だと思うこともあります。これはひとえに、創業者や先代社長夫妻をはじめとし、お客さまや取引先、社員等、当社に関わってきたすべての方のお陰様でもあると、心より感謝しております。

先人たちの歴史や功績に心から敬意を払い、今あることに感謝し、そして、これからの当社の未来を、現メンバーと新しく入社するみなさんと共に、より輝かしいものへと歩みを進めていく所存でもあります。

これからの世界を読み解くと

2019年に中国武漢で端を発した新型コロナウイルスの影響は今までの価値観を崩壊し、新たな価値観を生み出そうとするなど、世界に大きな変化をもたらしました。そうした大きな変化もあってか、『これからは個の時代』というフレーズを耳目することも多くなっています。この言葉は、価値観の多様性が進み、これまでのいわば画一的な物事の進め方より、個々の人たちが持つ『強み』や『特性』を活用していくことが必要となる時代、という意味合いを含んでいます。

『個の時代』と言われるようになった背景は、会社や企業の在り方に大きな変化が必要となっている表れなのかもしれません。ここ最近、日本においては大企業と呼ばれる会社が、衰退していく姿をみることも多くなりました。これは、マニュアルを通じて画一的な人を育てる組織の在り方に起因しているのではないかとも言われています。(もちろん、マニュアルはマニュアルで仕事を理解し、業務を遂行する上では必要なものでもあるため、マニュアルを否定しているわけではなく、むしろ必要なものだと考えていますので、誤解なきよう。)

『十で神童十五で才子二十歳過ぎれば只の人』の故事になぞらえた『優秀な人でも、入社3年経てば只の人』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、従来の組織論に基づいた人材育成により、マニュアル的な仕事に慣れていくと、ほとんど自分の頭で考えることがなくなり、思考停止状態となってしまう日本企業のよくある姿を揶揄した言葉でもあります。

過去の慣習や、決まったことしかできず、誰かの指示を待つ、指示されなければ判断できず、自ら考えることなく答えを求めるといった仕事が当たり前となり、クリエイティブ(創造的)な仕事ができる人が少なくなり、イノベーション(新機軸)を生み出すことができない組織となってしまい、そのまま衰退していく企業が多くあります。

コロナ以降の劇的な変化に対応していく上では、『個の時代』となる必要性があるのかもしれません。

私が理想とする当社の姿

私の経営者としてのテーマの一つに『丸い会社を創る』というものがあります。もちろん、丸々太った会社を創るという意味ではありません。従来の会社組織が、上から下への指示系統に動く、ヒエラルキー構造のピラミッド型(三角形)の会社であったことに対し、一人一人の個性が輝き、それぞれの個性が調和したハーモニーを奏でることにより、皆が生き生きとしながらも成果をあげ、柔軟に変化し続け、進化し続ける会社を意味します。

ただ、個性を輝かせるためには、一人一人が『自立』する必要があります。誰かに依存することなく、自分の足で立つことができるという意味ですが、例えば、社会人になりたての時期であれば、経済的な自立というものがあるかもしれません。また、誰かに依存することなく仕事を完遂できる知識や技術をもつといった技能的自立というものもあります。教えてもらっていないからできない、という姿勢でなく、自分から学び習得する姿勢も自立といえます。もう一つ大切なこととして、健康である、体力をつけるなどの身体的自立もあるかもしれません。

 

まずは、皆さんが担当していく、例えば電話対応をする、現場作業を行う、お客様に説明をする、給湯器の点検をするなど、それぞれの業務を行う上において、自分はこの業務を自立して行えているかを考え、意識しながら、小さなことでも構いませんので、一つ一つ自立した仕事を増やしていってほしいと思います。

そして、自ら立つ(自立する)ことができた後は、自ら方向付けをして行動することができるようになる『自律』した状態になってほしいと思います。いわば『内的な独立』といってもいいかもしれません。

『律』となる信念・信条・価値観を自らの内面に醸成し、それをもとにぶれない判断、行動をとることができるようになる。自分の感性を磨き、自分なりの理念、信条、哲学を羅針盤とし、人生を歩んでいく『自律』した状態となれば、あなたの個性が輝きだします。

そうした一人一人の個性が輝く仕事は、プロフェッショナルな仕事でもあり、自分の得意なことを磨き、結果として、自信ある振る舞いを増やしていくことは、やりがいを感じる仕事にもつながっていきますし、そうした個性が仲間たちと協奏することで、より素晴らしいことを生み出す感動にもつながっていき、そうした体験は自己実現にもつながっていきます。

成功の秘訣は大きなゴール(目標)を設定すること

『あなたは、何を目標として生きていますか』この問いに、答えることができるでしょうか。実は、言語化することはできなくても、みなさんは意識的、無意識的に、を問わず、何かしらの自分が思考した目標に向かって進んでいます。この目標に気づくことができ、その目標や夢を実現した自分の姿をイメージできる人が、物心両面において『豊かな人生』を送ることができます。

 

目の前の事象に対処することを専らとし、臨機応変に対応しようとしていると、思いもしない方向に進み、上手くいかないなぁと嘆き、自分には能力がないのかもと考え、自分に自信が持てなくなり、やりたいことができず、なりたい自分から遠ざかってしまうことになるかもしれません。

信じるか信じないかはあなた次第ですが、実は、人生は『うまくいく』か『前に進む』しかありません。間違ったと思うことや失敗したと思うことも、『目標』とすることに近づいていく一つの事象に過ぎません。そのため、一つ一つの事象が生み出す結果に一喜一憂し、重たい感情になることも、自分の能力を疑う必要なんて全くないのです。すべては、自分が目標にたどり着くためのプロセスに過ぎないのであり、そのための体験、経験でもあります。

ただ、人生の目標やゴールと言われても、最初は難しいと思うかもしれません。正直なところ、私もまだ何となくしか掴めていません。ただ、人生の目標とまではいかなくても、自分が見ることができるゴールや目標は常にできるだけ先を見よう、感じようとしています。

仕事においては、目の前の処理を見るのではなく、この先に何があるのか、何を目的としているのか、何を達成したいのかを考え、イメージし、そのための目の前の処理として取り組むことが、あなたの仕事が進化していくことにつながります。

仕事にやりがいを感じるか否かは、あなたの思考次第

『3人のレンガ職人』というイソップ寓話をご存じでしょうか。

中世のとあるヨーロッパの町。

旅人がある町を歩いていると、

汗をたらたらと流しながら、重たいレンガを運んでは積み、

運んでは積みを繰り返している3人のレンガ職人に出会いました。

そこで旅人は「何をしているのですか?」と尋ねました。

すると、その3人のレンガ職人は次のように答えました。

1人目は、
「そんなこと見ればわかるだろう。親方の命令で“レンガ”を積んでいるんだよ。暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」と答えました。

2人目は、
「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。この仕事は大変だけど、金(カネ)が良いからやっているのさ」と。

3人目は、
「レンガを積んで、後世に残る“大聖堂”を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」と。

3人のレンガ職人は、それぞれ「レンガを積んでいる」という仕事は同じです。
仕事の内容や役割が同じなので、賃金もほとんど変わりません。

しかし、“動機”がまったく違います。働く意識、目的意識が全く違うのです。

1人目は、希望・夢・志などの使命感はまったくありません。

ただ言われたからやる。言われなければやらない。ただ“レンガ”しか見ていません。
作業としての仕事、労役としか感じていません。

2人目は
“お金を稼ぐため”に否応なしに働いている。
“壁”しか見えていません。

「もっとお金になる仕事はないか」と頭の中はそれしかないでしょう。

3人目は、
「後世に残る歴史的事業に参加して町中の人を笑顔にするため」
という志を抱き、明確な目的意識を持って働いています。
100年以上先に完成する“大聖堂”建設のため、仕事を“使命”と感じています。

どんな考え方で仕事をするかは、一人一人の自由でもあります。そのため、1人目の考え方であろうが、2人目の考え方で仕事をしようが、それはあなたの価値観が決めることだと思います。

ただ私は、できるなら3人目のレンガ職人のような姿勢で仕事ができれば良いなと思いますし、そんな人たちが集まった職場だと楽しいだろうな、とも思います。

当社で共に働くみなさんが、自立し、自律するようになり、個性を輝かせ、目標やなりたい自分の姿をイメージし、自己実現につながる仕事をしていってほしい、と思います。

私は社長としての役割で、目標でもある『個性輝く丸い会社』を実現する行動をとります。みなさんも、自らの役割において、他人に依存することなく、自らの足で立ち、こんな仕事がしたい、こんな自分になりたいと心に描き、自律した行動で、やりがいある仕事をたくさん経験してほしいと思います。そして、共に成長し、共に繁栄し、共に喜びあえる、そんな仲間となり、幸せな人生を歩んでいきましょう。

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