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明日は必ず訪れるわけではないという思いで、今日という一日を大切に過ごしていきたい~『君と会えたから……』喜多川泰著 出版:ディスカバー21

 

将来に対する漠とした不安を抱えながらも、自分のやるべきこともやりたいことも見つけられずに何もせず、無気力に過ごしていた平凡な高校生の僕のもとに、ある夏の日、美しい女の子がやってきた。そして、彼女から、その後の僕の人生を変える教えを聞くことになる。いつしか彼女に恋心を募らせていた彼の前に次第に明らかになっていく彼女の秘密とは

ディスカバー21ホームページ 商品の紹介より

17歳の高校生ヨウスケは、夏のある日のこと、美しくもどこかに謎がある同い年の女の子ハルカと出会う。ハルカは、彼女が父親から学んだという素晴らしい人生を送る方法についてヨウスケに教えていく。ヨウスケはハルカに惹かれていくが、ハルカには秘密があった。

この作品で、ハルカは父から学んだという教えをヨウスケに教えていきます。高校を卒業しての進路という人生の岐路を間近にし、それでもどうしたらよいのかわからない、漠然とした不安を抱える高校生に伝えるメッセージは、今の私にも必要なメッセージでもありました。しかし、同時にもっと若い時にこの話を聞いていたらなぁ、と後悔にも似た感情も併せ持ちながら読み進めていました。私が、この作品を通じて心に残り、今からの人生で大切にしていきたいことについて綴っていきます。

目次

人生において叶わない夢などない

幼いころは、将来の夢やなりたいこと、やりたいことがたくさんありました。野球選手になりたい、大金持ちになりたい、ランボルギーニ・カウンタックに乗りたい、海外旅行に行きたい…、ちょっとしたやりたいことなんかも含めると、山のようにやりたいことがあったと思います。そして、幼少期の頃は、必ず実現すると疑ってもいなかったように思います。

それが、いつの頃からか、『どうせ叶うわけないや』という考えを持つようになり、現実的にできそうなことを基準に願望を持つようになっていきました。そんな願望でさえも、自分には無理かも、なんて考えて、だんだん夢を持つことさえなくなっていったような気がします。。

でも、可能性を狭めていったのは、自分の思考でもあるのです。

『人間は未来のことを考えるときに、

うまくいったらこうなるということ以外に、うまくいかなかったらどうしよう、

それどころか、どうせうまくいくはずがないといったこともいっしょに考えてから、

自分のやるべきことを決めてしまう。

大きな夢を抱けば抱くほど、そうだ。

そしてうまくいく確率の方が低いと決めつけ、夢に向けて行動を続けることを、

宝くじと同等の非常に確立の低いものに投資する行為と見なしてしまう。

そして結局、夢へ向けての行動をとろうとしない。』

 どれだけ多くの人がこうした思考におちいり、行動ができないようになっているのでしょう。

でも実は、夢を叶えるために必要なことがありました。きっと多くの人が気づいていないことなのかもしれませんが、本当に夢を信じて進んでいこうと突き進めるかどうかは、自分がやりたいことが、誰かの喜びにつながる行動をとっていけるかが大切なのです。

本書の中で、ハルカはヨウスケにこう語ります。

『私が人から何かをもらうことがあるとしたら、先に私がその人のために何かをした時だけよ。』

人は、ひとりでは生きていけない。私は、喜多川氏の作品を読むたび、そう教えられています。生まれて今まで、もう何度も聞いてきた言葉ではありますが、ようやくその意味が理解できるようになりました。

おそらく、自分が夢をあきらめていたのは、自分のためを考えた夢だったからかもしれません。生活に必要とされる衣食住のすべてが、自分一人で今の環境を整えることは不可能です。そして、そんなことに気が付かず、あることが当たり前になっています。でも、自分が恩恵を受けているのは、誰かがいるからです。私たちは、世界の宇宙の大いなるつながりの中で生きています。だからこそ、与えてもらうことばかりを考えるのではなく、与えることにもっと意識ができればよいのだろうな、と思います。世界のためや世の中のため、と大きなことを考えなくても、自分の身近にいる人のためにでもよいのと思います。とにかく、自分のためではなく、誰かのためにできることを行動していくことが、実は自分の夢につながっていくことが宇宙の法則なのかもしれません。

手段を目的にしない

私はプロ野球選手になると夢を見始めた子供の頃、そうなることに疑いを持っていませんでした。親からは『プロ野球選手になっても活躍できる期間は短いから、引退しても困らないように勉強しておきなさい』と言われたことも思い出します。いま思えば、子供の夢を尊重してくれながらも、現実を考えたら、ちゃんと勉強をという親の気持ちがわかります。

私のようにプロ野球選手やサッカーなどのプロスポーツ選手になることをあこがれた人も多いのではないでしょうか。夢がかなってプロスポーツ選手になれたというより、むしろなれなかった人の方が圧倒的に多いと思います。

本書においてヨウスケは、職業を夢と考えないほうがよい、と気づきます。職業は手段であって目的ではありません。その職業になりたい、と思った理由の背後には必ず目的が存在しています。その目的を達成するために、思いついたのがその職業です。

なりたいと思った職業になれなかったとしても、それは自分の夢が叶わなかったということにはつながりません。自分が本当になりたい、ありたい目的をしっかりと見据えることができていれば、手段が違っても目的は叶えることができます。だから、大切なことは自分の目的を理解していくことなのかもしれません。それができれば、どんな人にも夢が叶う可能性はあるのだと思います。

明日は必ず訪れるとは限らない

この事実は、言われたらそうだとは理解しますが、実感は伴っていません。『また、明日』なんて言葉を発することも多いですが、明日という日は必ず訪れるとは限りません。

私には、3歳年上の姉がいました。ある病気のため、いつ亡くなってもおかしくない状況でもあったと思います。姉は、おそらく明日が来ないかもしれない、という不安に襲われることも多かっただろう、と思います。それでも、姉は人に優しく接する人でした。姉弟喧嘩もしましたが、その原因はほとんど自分の考えの浅はかさゆえに引き起こした自分の身勝手なことで、ただ傷つけることばかりであったな、と申し訳ない気持ちになります。

それでも、姉はいつも私のことを尊重し大切にしてくれていたと思います。おそらく、私だけでなく、出会ったほとんどの人にそうやって接していたのだろう、と思います。10代の頃から死を意識していたであろう、姉はなんの前触れもなく、突然この世を去りました。つい、数十分前に電話で話をしたのが最期の会話でした。それもごくごく日常の会話です。

本書を読み、私は姉のことを思い出しました。そして、明日があることを当たり前のこととしている自分にハッとしました。いつか必ず人はこの世を去ります。その時期はいつなのかわかりません。本当にこの後すぐに、ということが起こっても不思議なことではないのです。それならば、今という瞬間を大切にし、自分の人生の目的に向かって行動することが大切なことなのではないでしょうか。『今を精一杯に生きる』その連続が自分の人生なのですから。

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