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知らないことは罪かも知れない。日本の宝は売られている。

今回は、堤美果著『株式会社アメリカの日本解体計画』を読んでの感想です。

『今だけ、カネだけ、自分だけ』
著者は、世界の経済に大きな影響を与える、ウォール街を中心としたアメリカ政財界に大きな権力を持つ人たちの思想をこの言葉で表現しています。
もはや、昔の自由で魅力的な『アメリカ合衆国』は存在せず、巨大化したグローバル企業とウォール街のために存在する『株式会社アメリカ』になってしまった、と。

アメリカにおいて、大統領が誰であろうと、共和党であろうと、民主党であろうといずれにせよ、強欲な金融業界の影響力には変わりなく、自分たちの都合の良いように政治を動かしています。マスコミは、個人の動きや発言にフォーカスしますが、それでは本質を見極めることができない。そこで大切なことは、『人事』と『カネの動き』をみることで、真実に近づけると著者は話をします。今、アメリカを動かしているのは、大統領ではなく、今や完全に一体となり、巨大な権力を手にした『財界とワシントン』の複合体であるから、だそうです。

そして日本は、その『株式会社アメリカ』に食いものにされています。
いくつものその事例を挙げていますが、
たとえば、いわゆる『ジャンク債』と呼ばれる、アルファベット3文字で表されている怪しい金融商品。その多くは倒産リスクが高い企業にお金を貸し、それを証券化して商品にして、そこにリスクを全部乗っけて、他の人に売る。そうした証券を日本の『農林中金』や『ゆうちょ銀行』などが大量に購入する。日本の年金運用も、こうしたリスクの高い商品を購入しているそうだ。しかも、彼らは、その倒産しそうな企業に保険のようなものをかけ、企業が倒産したらお金が入るように設定している。こうして考えると、なぜ郵政事業は民営化されたのか、の本当の理由もわかるのではないでしょうか。他にも、ソフトバンクも良いようにカモにされているのかもしれず、日銀はソフトバンクの株も含まれたETF(上場投資信託)を大量に保有している。つまり、このジャンク債がはじけたとき、ソフトバンクだけが被害がでるのではなく、日銀も大きな損害がでる、ということは・・・、と我々日本人は、知らないうちに大きなリスクを背負っているのです。

また、『農薬』に関する問題も深刻です。
みなさんは、中国の野菜は農薬まみれで心配、などと思うことはありませんか。そして、日本産の野菜だと安心だと。これも私たちが知らない大きな誤りがあります。実は、日本の農薬使用量は、世界で2,3位を争っています。世界では、中国、韓国、日本の3カ国が農薬の使用量が圧倒的に大きい国であり、日本に旅行に来る外国人は、『日本の野菜は農薬含有量が非常に高いから、あまり食べないように』と旅行会社から説明を受けて、日本に来ているそうです。
世界では使用を禁止されている農薬も、日本では、逆に規制が緩和され大量に使用されている。そういえば、最近、日本では発達障害の子どもが増えていることや、若くして癌になる人も増えているといったことと関係があるのかも知れません。
なぜ、そんな農薬まみれの食品を我々日本人は、日常の食卓にならベ食べているのか、その理由は私たちが『知らなさすぎる』ことが理由でもあります。

今、狙われている日本の宝は、『水』という話もあります。中国資本が日本の水源地を購入している話もよく聞きますし、水道を民営化する話もあります。これがどれだけリスクが高いモノなのか、私たちはよく知る必要があるのではないか、と思います。『民営化』という聞こえの良さそうな言葉をならべ、その利権を貪り尽くす人たちがいる。本当に私たち国民や日本のための政策ではなく、正に『今だけ、カネだけ、自分だけ』の思想の基に動く権力者が何と多いことか、に恐怖を感じます。

私たちは、あまりにも真実を知らなさすぎるのかもしれません。
その大きな特徴は、日本人は世界一『マスコミ』を信じる国民だそうです。確かに今のコロナパンデミックでも同じかもしれません。
日本のマスコミが、本質的に日本人にとって悪くなるようなことはしない、と思うかもしれません。私もそうであって欲しい、と思います。ただ、今の日本のマスコミは外国資本が大きく入っている事実をご存じでしょうか。中には、日本企業のふりをした外国資本の企業もありそうです。NHKも同じようなものです。なぜNHK批判をする人が増えているのかを調べていけば、その理由がわかってくると思います。
外国資本が大きく入った放送局が、外国資本の影響を持ったスポンサーによって番組が作られている。そこに『日本人のため』という考えはどれだけ含まれてくるでしょうか。

著者は、こんな悲観的な状況の日本を救うためには、日本人本来の精神を活かすことである、と述べています。その代表的な精神が『お互いさま』の精神だと。これは、『今だけ、カネだけ、自分だけ』の精神とは全く反対の精神だと思います。
そして、マスコミが何を報道しないのか、を知っていくこと、そして誰が何のためにを知っていくことが必要だと著者は述べています。

自分にできることは、本当に小さな事かも知れません。でも一人ひとりがこうした意識を持って行動することは、本当に大切です。
これからの世代のためにも、日本の未来が明るいものになるように、私たちは自分で真実を知ろうし、日本人としての精神性を大切にし、行動していくことが必要なんだ、と感じさせてくれた一冊となりました。

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