誰もが多かれ少なかれ、人生に不安を抱えて生きているのだと思う。傍目から見たら恵まれた人生だと思うような人にだって、必ず上手くいかないと感じることだってあるはずだ。素晴らしい才能があると思える人が、実は自分の能力に自信を持っていなかったり、幸せそうにしている人にだって、悲しみで涙を流すこともある。
自分の人生を自分らしく生きていくために『自分の心に素直になること』と『ご縁がある人たちとの絆』が必要なことなのかな、と感じる一冊でした。そんな想いにさせてくれた、作品の中で出会った、心に響いた言葉を紹介していきます。
港町で三代続く老舗洋食屋「キッチン風見鶏」。おすすめは、じっくりと手をかけた熟成肉料理だ。漫画家デビューを夢見るウエイター・坂田翔平は、幽霊が見えてしまうのが悩みのタネ。お客さん一人ひとりに合わせた料理が好評なオーナーシェフ・鳥居絵里は、家族の健康を案じつつ空元気を出して奮闘中! 誰しも未来は不安だし、人生は寂しいものだ。でも、だからこそ、自分の心に?をつかずに生きていく──。美味しさとやさしさが溢れる傑作長編。
角川春樹事務所ホームページより
僕の人生は僕が創る
何かの決断をする、ということは人生の節目において誰しもが訪れることと思います。きっと私も大小様々な決断をして、今の自分がいます。その決断は、他人によって決められたものでも、環境によって決められたものでもなく、自分自身が決断していることなのです。色々な決断は、常に自分自身が決めているという生き方って大切なことだと思います。
この物語の背景を通して、人生は自分が作り出しているのだなと感じさせてくれるシーンがいくつもありました。その時に、誰かに背中を押してもらっていることもあるかもしれません。誰かがいることによって励みになっていることも事実です。そして、その決断を誰かが応援してくれているのかもしれません。自分の人生を自分で創っていきながらも、人との絆があることによって、広がりや深みも帯びてくるのだろうなとも思います。
人生に『正解』なんてないのだよ。自分で選んだ道を自分の努力で『正解』にするだけ
自分で創る人生だけど、時々、この道で良かったのかな、なんて考えることもありますよね。誰かに正解だよ、と言って欲しい気持ちもありますが、この自分の努力で『正解』にするだけ、という言葉が一番勇気が湧いてくる言葉じゃないかなとも思いました。どんな選択だって、きっと間違いはないのだと思います。自分が選んだ決断は、間違った道ではない。後は、自分が『正解』にしていくだけなのです。
人は意識的、無意識的を問わず、何かの目的に向かって生きているそうです。自分の深層心理に何か大切にしていることがあって、その目的を実現できるための選択をしていると聞いたことがあります。ただ、人生の目的を自分が認識できていたら良いのですが、ここに気付くためには、もしかしたら、自分自身と向き合うことが必要なのかもしれません。でも、きっと『正解』にする努力をしていくことで、自分がなりたい現実を創っていけるのかもしれないですね。
生きることを、楽しんでこなかった、というミスに気付いた
人生の終わりを意識することは大切なことかもしれません。明日が来ることが当たり前として生きていると、今という時間がかけがえのない時間だという認識をもつことは難しいと思います。もし、自分の余命があと1年だったならば、今過ごしている季節はもう二度と味わうことができないのでしょう。今日出会った人とは、今生の別れとなるかもしれない。でも、そんな風に毎日を生きていると、ちょっとしんどいと思うかも知れません。
だから、これが最後だという考え方ではなく、今という瞬間を楽しみ続けるので良いのではないかなと思います。自分の心に素直になって、自分の心が求めていることに耳を傾けて、今という時間を楽しめるようにする。自分が本当にやりたいこと、経験したいことにチャレンジしていく、そんなことができている瞬間に喜びを感じられるようでありたいものです。
人生を楽しむということは、今を楽しむことに等しいと思います。楽しむと言っても享楽的なことが楽しむとは限りません。自己の充実感や人との繋がり、有り難いと感じる心、人との絆・繋がりを感じること、こうしたことも楽しいことに違いないと思います。その楽しみ方、というのは人それぞれになるから、こうしたら楽しい、と万人に共通するものはありません。ただ、自分の心の声に意識をむけて、自分に素直に生きていけることが人生を楽しむということになるのではないでしょうか。
心の中で『だからこそ』という魔法の言葉を発してみる
人生にマイナスと思われる出来事だって起こります。人生を楽しもうと思っていても、起こってしまうものだと思います。でも、そんな時に『だからこそ』という言葉と共に、その出来事を捉えていけば、未来は自然とプラスと思われる方向に進んでいくのかも知れません。
出来事そのものには意味はなく、意味づけをするのは自分次第です。困難なことがあったから、自分の本当の気持ちに気付くことだってありますし、その困難を克服しようとするプロセスに喜びも生まれてくるのかも知れません。何があっても、大丈夫。自分の心に素直に、そして自分が自分の人生の主役となって、自分自身の未来を創っていく。人との繋がりも大切にしながら、いつも幸せを感じながら生きていきたいものです。
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